創作漢字コンテスト

第15回
100年後まで残る漢字を作ってみませんか。
創作漢字コンテスト

白川創作漢字 最優秀賞

ぜっとせだい
京都府宇治市 西川叶愛さん(12)

このような賞をいただき、大変ありがたいです。最近「Z世代」という言葉をたくさん目にします。私もZ世代に産まれたので、それを漢字に表したいと思いました。パッと見たときに印象に残る漢字にできました。

富国生命優秀賞

社会人・大学生対象

  • どわすれ
    大阪府大阪市
    澤谷美弥子さん(51)
  • はかじまい
    東京都荒川区
    簗瀬友孝さん(71)

Z会優秀賞(高校生対象)

  • せいえん
    埼玉県さいたま市
    埼玉県立大宮高等学校1年
    真﨑仁菜さん(15)

Z会優秀賞(小・中学生対象)

  • きゅうぶれーき
    埼玉県朝霞市
    朝霞市立朝霞第六小学校1年
    佐藤直斗さん(7)
  • たぶん
    埼玉県新座市
    新座市立第二中学校1年
    髙橋柚衣さん(12)

富国生命・審査委員長特別賞

  • おんだんか
    大阪府藤井寺市
    木下朋子さん(50)
  • できごころ
    徳島県徳島市
    前川康則さん(66)
  • にまいじた
    東京都世田谷区
    佐藤本次郎さん(90)
  • あながあれば、はいりたい
    大阪府堺市
    夏田信身さん(90)
  • おもいやり
    静岡県富士市
    阪口寛さん(91)

成語・成句特別賞

  • みみをそろえる
    埼玉県越谷市
    埼玉県立大宮高等学校1年
    金澤菜花さん(16)
  • しったかぶり
    鹿児島県鹿児島市
    鹿児島国際大学4年
    渡辺亮太さん(21)

コンテストの総評

創作の本質示す着想

この創作漢字コンテストは今年をもって15回目となる。早いもので、もう15年が過ぎたこととなる。それにつれて、応募作品は激増し、ここ数年は2万点を超える盛況である。やはり、国語に対する関心が高いこと、また小学生でも参加できることがその盛況を支えている。もっとも、盛んになるにつれて、盗作をしたと思われる作品も増え、それを見破ることにわれわれは相当な労力をあてている。さて、今回の最優秀作品は「(ぜっとせだい)」と定めた。中学生の作品である。なかなかの工夫とすぐれたアイデアとによって作られ、多数の審査員の同意を得て定まった。創作漢字とは、まさに〈創作〉という切り込み方の上下によって定まる。高校生、中学生、小学生のアイデアは成人と比べて決して劣るものではなく、ハッと気づかされる見事なアイデアに、まさに創作の本質が示され、感動することが多々あった。創作への意欲は、同様に成人においてもなかなかのもので、多くの名作品と出合った。そこで、今回で15回目の歴史になったことを記念して、成人それも可能な限り高齢者の作品から3点を選んで特別賞を贈った。3人とも90歳を超えておられる。時の流行がある。その最たるスターは米大リーグドジャースの大谷翔平氏。彼を材料とした作品が60点を超えた。しかし、単に「二刀流」を示すだけのことで、何の特色もなかったことが残念だ。時の話題を材料とするならば、ただ「二刀流」という皆が知っているものではなく、独特のひねりを出すことが重要だ。

審査委員長 加地 伸行
(立命館大学白川静記念東洋文字文化研究所 元所長)
あなたの心を動かす文字

ある哲学者が言葉について、面白いことを言っていました。それは「痛い」と言うとき、その人は別に痛みを伝えようとしているわけではない。その人にどうしてほしいかを、暗に訴えているそうです。つまり、こう扱ってほしいとか、これをあなたが代わりにやってほしいとか。何事かを頼むために「痛い」という言葉を使うそうです。なるほどですね。人の言葉とは深く興味深いものです。で、ここにあるのは文字ですが、どれも皆、ひと文字ながら、あなたに「こう読んでほしい」と強く訴えかけてくるようです。創作漢字は「あなたの心を動かす文字」といえます。今回も傑作ぞろいで、私の推しは「(きゅうぶれーき)」と「(みみをそろえる)」。なるほど、急ブレーキで前のめりで止まり、「みみをそろえる」は見事に耳がそろえてあります。お見事です。

創作漢字コンテスト広報アンバサダー 武田鉄矢さん
(名誉漢字教育士)

タイプデザイナーの思い