創作漢字コンテスト

第13回 創作漢字コンテスト

受賞作品一覧

白川創作漢字 最優秀賞

はかまいり
三重県松阪市 松阪市立久保中3年 中野広大さん(15)

お盆に墓参りに行った際、ここに祖先が眠っていると感じ、尊敬の念を抱いた。その思いを文字にしてみました。墓参りは祖先への尊敬を込めた儀式と思うので、そうした心を持つ人々に使ってもらえれば。

バナナ
大阪府和泉市 和泉市立芦部小2年 畔柳雄ノ介(くろやなぎゆうのすけ)さん(8)

夏休み中、キッチンにバナナがあって、それを見ながら考えました。バナナの『ナナ』と『七』が一緒で、おもしろそうな漢字ができたと思った。バナナを食べるときに、使ってもらえたらうれしいです。

富国生命優秀賞

※社会人・大学生対象

  • たまのこし
    徳島市
    前川康則さん(64)
    石川県小松市
    若本修さん(66)
  • うつくしいしらべ
    さいたま市
    岩城久哲さん(76)
  • たより
    東京都大田区
    小田川雅一さん(86)
  • つかいまわす
    東京都大田区
    大塚真那さん(34)
  • えんだか
    東京都世田谷区
    ヤザン・クワンチさん(30)
  • かじょうほうそう
    大阪府豊中市
    村瀬直子さん(37)

Z会優秀賞(高校生対象)

  • ばば
    栃木県佐野市
    栃木県立足利工業高1年
    秋山媛莉(ひまり)さん(16)
  • すいがい
    山形県寒河江市
    山形県立寒河江工業高2年
    菊地海良(かいら)さん(17)
  • 遠隔授業
    熊本市
    熊本市立千原台高3年
    渡邊あかりさん(18)

Z会優秀賞(小・中学生対象)

  • かいご
    熊本市
    熊本市立二岡中3年
    桂麻奈さん(15)
  • どなる
    奈良市
    奈良市立富雄南中2年
    姫田鈴菜さん(13)
  • せつぶん
    和歌山市
    和歌山市立八幡台小 5年
    松本育さん(11)
  • あまもり
    大阪府枚方市
    枚方市立枚方小4年
    松井文香さん(9)

富国生命・審査委員長特別賞

  • まえむき
    熊本市
    熊本市立千原台高1年
    福嶋亜依さん(17)
  • たたかうのをやめる
    愛知県稲沢市
    愛知県立杏和高 2年
    山田あかりさん(16)
  • しろぼし
    山形県寒河江市
    山形県立寒河江工業高2年
    會田一平さん(16)
  • やぶさめ
    長野県松本市
    松本市立芳川小5年
    萩元百合花さん(10)

成語・成句特別賞

  • じゅうにんといろ
    千葉県市川市
    渡邊正崇さん(41)
  • はをくいしばる
    京都市
    芦田為美さん(86)
  • にまいじた
    北海道札幌市
    髙橋多美子さん(61)
  • おもいちがい
    大阪府茨木市
    茨木市立西中2年
    錦古里梨音(きんこり りおん)さん(13)
  • うつわがちいさい
    群馬県中之条町
    群馬県立吾妻中央高2年
    佐藤匠さん(16)
  • ひとことおおい
    京都府長岡市
    立命館高2年
    今東蒼葉さん(17)
  • えりをただす
    三重県伊勢市
    伊勢市立倉田山中3年
    松岡夏由さん(15)

佳作

  • ごがつびょう
    北海道旭川市
    佐藤龍さん(33)
  • うわのそら
    埼玉県飯能市
    田口久江さん(50)
  • ろうろうかいご
    千葉県四街道市
    飯泉由美子さん(55)

コンテストの総評

質が非常に高く大激戦

今回は、これまでの中で、最も作品が多く、大激戦であった。それも単に作品が多いというのではなくて、中学校・小学校からの作品が激増し、それとともに全体の質が非常に高くなってきたことは、嬉しいかぎりであった。
最終審査会では、十二分の議論が交わされ、最優秀作品として、中学生の「(はかまいり)」ならびに小学生の「(バナナ)」に決定した。もちろん、優秀作品に上下を定めるのは非常に難しい。あえて言えば、入賞作品はすべて素晴らしく、その凄さに何度も唸った。「」は、日本人の心に響く。「」は、少年らしいアイディアが楽しい。あえて申しあげるが、発表された入賞作品はどれを取っても、お見事というほかなく、最優秀作品との間に差はない。私の個人的な感情から発言させていただけるならば、すべて“最優秀作品”ぞ。
なお、流行語として①コロナ、②大谷翔平の二刀流、が数多くあったが、突出した作品はなく、みなほとんど同形であり平凡であった。流行を材料にするときは、相当の突出したアイディアが必要であろう。
ところで、この場を借りてあえて申し上げたいことがある。それは、成人・少年に限らず盗作が非常に多いことである。これは断じて許せない、許さない。なぜ他人の作品を平然と自己名義で投稿するのか。その品性は下劣であり、創作文化に参加する資格はまったくない。

審査委員長 加地 伸行
(立命館大学白川静記念東洋文字文化研究所 元所長)

創作漢字も新しい才能が続々と参加して、益々賑やかになって来ましたね。本当に嬉しい限りです。白川静博士の名を冠したこのコンテストは、白川博士の志であった、そのひと文字が生まれて来た所以を明らかにする事にありました。
今回もその漢字の新作を作ろうという腕比べです。「ハテ?」と見つめて「なるほど」と頷く傑作ばかり。「」は考え込みました。しかしすぐに「えんだか」と読めて、作者のセンスに拍手。
感心したのは「」。作者は八歳の男の子で、このひと文字で「バナナ」。見事にカタカナが漢字になっています。
で、やっぱり一番感心したのが「」。これで「はかまいり」。心を込めて手を合わせるところに字義があり、美しいひと文字です。十五歳の少年がこのひと文字を創った事に感動しました。何と優しいひと文字か!

創作漢字コンテスト広報アンバサダー
武田鉄矢さん
(名誉漢字教育士)