第10回 創作漢字コンテスト

第3回 創作漢字コンテスト

受賞作品一覧

最優秀賞

ジュロウ
いのちながし、じゅろうじん(寿老人)
健康で幸せな人生
大阪府茨木市
太田明子さん(69)

A部門優秀賞

  • センソウ
    さきばしる
    他人より先になって走る、行動する
    東京都八王子市
    如月寛さん(77)
  • かぐやひめ
    竹の中から生まれ美しい姫に
    大阪府羽曳野市
    岡本弘子さん(50)
  • スマホ
    すまほ(スマートフォン)
    カタカナを漢字に変換
    兵庫県上郡町
    篭島靖さん(50)
  • チュウ
    たいしんほきょう(耐震補強)
    2本柱で耐震補強
    東京都世田谷区
    笹川ゆかさん(49)
  • コン
    さずかりこん
    「婚」の字の「女」が「子」に変化して…
    大阪市福島区
    長谷明日香さん(20)

B部門Z会特別賞

  • サンジ
    おやつどき
    時計の針が3時のおやつ時を
    大阪市住吉区
    山村裕一さん(18)
  • じゅうい(獣医)
    お医者さんに「けものへん」で獣医
    堺市堺区
    堂村碧さん(14)
  • リツ
    たつ、バランス
    立を3つ重ねバランスをとる
    大阪府池田市
    吉野雄作さん(13)
  • ホウ(にわか雨の「瀑」の音)
    とおりあめ、むらさめ
    さっと降る雨
    堺市中区
    砥上アキラさん(12)
  • ハ(ハンの半音)
    よんとうぶん(四等分)、かけだし(半人前の前)
    「半」が半分に割れて0.25
    千葉県船橋市
    木村康希さん(12)
    千葉市稲毛区
    小林優羽貴さん(8)

特別賞

  • なし
    公私混同
    「公」と「私」との組み合わせ
    群馬県伊勢崎市
    関根千津子さん(62)
    奈良市
    宮狭淳泰さん(59)
    奈良市
    一色千賀子さん(57)
  • なし
    表裏一体
    「表」と「裏」の合体漢字
    群馬県伊勢崎市
    関根千津子さん(62)
  • ジョウジョウ
    上には上がある
    この上もなく良いこと、の意味も
    奈良市
    宮狭淳泰さん(59)
  • サク
    身を削る、ダイエット
    「削」と「身」とを合成
    堺市北区
    青木玲さん(15)
  • シュウ
    臭いものにふたをする
    「臭」の字の上になべぶたを置いたもの
    富山県立山町
    大畑泰成さん(13)

佳作

  • ショウ
    わらいぐさ
    笑いを誘う原因、物笑いの種
    東京都大田区
    井手晃一さん(82)
  • ユウ
    おさなともだち
    竹馬の友
    東京都品川区
    朝熊弘道さん(75)
    堺市北区
    千葉正智さん(16)
  • ホン
    としょかん
    本の森
    京都市右京区
    山下雅生さん(64)
    川崎市宮前区
    花岡邦彦さん(54)
    大阪府岸和田市
    山本康子さん(39)
    堺市東区
    永木愛さん(15)
    神戸市北区
    吉村未来さん(7)
  • カイ
    かいてんずし
    くるくる回って出てくるすし
    神奈川県秦野市
    今中要さん(59)
  • ピッタリ
    かみあう
    ピッタリ組み合う
    香川県三木町
    近藤敦さん(45)
    奈良県五條市
    森脇里佳さん(17)
    堺市東区
    伊藤聖さん(14)
    京都府京田辺市
    細見桃花さん(13)
  • サン
    とっぷう(突風)、てんぐかぜ(天狗風)
    傘が突風にあおられているさま
    大阪市城東区
    池田里佳さん(42)
  • オーン
    おんち
    音程がずれていること
    宮城県石巻市
    日野公彦さん(40)
    兵庫県西宮市
    田中秀幸さん(12)
  • ゲン
    ねごと
    寝ながらしゃべる言葉。転じて無根拠・無責任な物言い
    埼玉県幸手市 森彩香さん(24)
  • ソン
    かそ(過疎)
    村の中が何もなく、過疎化
    大阪府豊中市
    井出卓志さん(15)
  • どげざ、あやまる
    「土下座」を1字に集約
    堺市中区
    徳永朋之さん(15)

コンテストの総評

高齢化社会反映した作品

今回は、前回の2倍近くの応募があり、激戦だった。選外となったが、時代を反映し、「(オリンピックの金、銀、銅)」が約30通あった。
四方を海に囲まれた日本が直面する国境問題を表した「(うみざかい)」は、残念ながら、すでに定着した漢字があり、失格。同じ理由で「(うつびょう)」も失格したが、心を取り上げた「(こころなし)、(こころみだれる)、(しんふぜん)」(選外)など現代の心象風景が見られた。
一方、「(うちそこない)、(ものがなしい)、(ねじまげる)、(違い棚)、(はやくしなさい)」(選外)など思わず笑ってしまう明るい作品も多かった。いわば、楽しんで作られている感じがあった。
もちろん「(はなめぐり)、(いしぶみ)、(うきしずみ)」(選外)といった正統的な漢字形成の力作も多くあった。
優秀賞、Z会特別賞、特別賞、佳作入選作品は別掲の通りだが、わずかの差での選外作品が多かったこともあえて記したい。
最優秀賞「」は、今日の高齢化社会の問題を反映している。いろいろと困難な問題はあるが、「高齢者の幸福を」というのが審査委員の一致した意見だった。
なお、今回の特徴として成語・成句を表す作品が多かったので、特別賞として選んだ。選外に力作「「十中八九」、(ろくでなし)、(後ろ髪を引かれる)、(揚げ足を取る)、(画竜点睛(てんせい)を欠く)」などがあった。
印象に残ったのは選外の「(老人ホーム)、(ホームページ)」で、今すぐにでも使えそうだ。
日本人は国字(たとえば、躾(しつけ)、込、裃(かみしも)、腺など)を創作してきた伝統がある。今回の多数応募にそれが生きており、遊び心と明るさと余裕とを失っていない。

審査委員長 加地 伸行
(立命館大学白川静記念東洋文字文化研究所 前所長)

昭和11年(1936)大阪生まれ。大阪大学名誉教授。立命館大学研究顧問。文学博士。 中国哲学専攻。著書『儒教とは何か』(中公新書)、『沈黙の宗教-儒教』(ちくま 学芸文庫)、『論語全訳注』(講談社学術文庫)など